pHと、酸性・アルカリ性
pHは酸性・アルカリ性の程度を示す指標です。小さい側ほど酸性が強く、大きい側ほどアルカリ性が強いことを示します。溶存物質量のmg/kgとは異なり、pHに質量の単位は付けません。
pHだけで肌ざわりや美容効果の強さは決まりません。成分の組み合わせや浴槽の温度、利用方法、個人差も関係します。
温泉の液性は5つの区分で読む
鉱泉分析法指針では、湧出時のpHによって次のように分類します。一般的な説明でpH7を中性と呼ぶことと、温泉の分類で「中性」とする範囲は区別して読みます。[1]
| 液性 | pHの範囲 |
|---|---|
| 酸性 | 3未満 |
| 弱酸性 | 3以上6未満 |
| 中性 | 6以上7.5未満 |
| 弱アルカリ性 | 7.5以上8.5未満 |
| アルカリ性 | 8.5以上 |
たとえばpH7.43は中性、pH7.6は弱アルカリ性、pH8.7はアルカリ性という区分です。
液性の分類と、泉質名は分けて読む
「アルカリ性」は単純温泉に限らない
塩化物泉や硫黄泉などにも、液性がアルカリ性の温泉があります。アルカリ性であることだけで、泉質名を「アルカリ性単純温泉」に置き換えることはできません。
「酸性泉」は水素イオンによる泉質の分類
液性の「酸性」はpHの区分です。一方、酸性泉は水素イオンの含有量に関わる泉質分類であり、分析書の泉質名も確認して読みます。pHと、水素イオンのmg/kgの値は同じ指標ではありません。
測定場所と測定条件を確認する
湧出地と分析室の値を区別する
分析書には、湧出地で測ったpHと分析室で測ったpHが併記されることがあります。採水後の時間や温度、ガスの状態などによって値が変わる場合があるため、同じ条件の数値として混ぜて比較しません。
サマリーの数値が、浴槽のpHとは限らない
このサイトでは原本の測定場所とともにpHを紹介し、記載が不明な場合はその旨を示します。原本の液性分類も別に保持しています。施設の加水や加温などもあるため、分析書のpHがそのまま現在の浴槽の値とは限りません。
参考資料
- 環境省「鉱泉分析法指針(平成26年改訂)」:分類と分析項目。
- 環境省「温泉の定義」:温泉法・療養泉の基準。