どんな成分か

遊離二酸化炭素は、お湯にガスとして溶けている二酸化炭素です。ここでの「遊離」は、炭酸水素イオンなどとは別の形で存在していることを示します。分析書には「遊離二酸化炭素」または「遊離炭酸」と記載され、温泉法と療養泉では異なる含有量基準が設けられています。[1]

名称が似た「炭酸水素イオン」「炭酸イオン」は別の成分です。炭酸水素塩泉という泉質名から、遊離二酸化炭素の量や泡の有無を決めることはしません。[2]

お湯の特徴との関係

二酸化炭素泉は、肌に付着する細かな泡を特徴として紹介されます。ただし、加温によって二酸化炭素がガスとして抜ける場合があります。[2]

分析時に確認された量と、入浴時の浴槽に残っている量は同じとは限りません。基準値は分類のための数字で、基準を超えれば必ず泡が見えるという意味ではありません。[2]

温泉法・療養泉の基準

遊離二酸化炭素として比較する含有量の基準です。いずれも温泉水1kgあたりの値です。[1]

温泉法
250 mg/kg以上
療養泉
1,000 mg/kg以上

温泉法の基準は温泉の定義に、療養泉の基準は療養泉に該当するかの判断に使います。基準値に対する倍率は、含有量を基準値で割って求めます。たとえば基準値の2倍は、その成分が基準の2倍の量含まれるという意味で、効果が2倍という意味ではありません。温度など別の要件で温泉・療養泉に該当する場合もあるため、一つの成分の値だけで温泉全体の該当性は決められません。

ほかの成分の基準値と比べる

分析書で読むときの注意

「溶存ガス成分」は、お湯に溶けているガスを記載する欄です。この欄で、遊離二酸化炭素の値を確認します。炭酸水素イオンの数値を代わりに使ったり、「未満」の記載を確定値とみなしたりしないようにします。[3]

このサイトの追加紹介は、温泉法の遊離二酸化炭素の基準値以上を確認できる場合に表示します。少量でも含まれることはありますが、それだけで泡立ちを期待させる紹介はせず、数値は成分表に残します。

関連する分析書

このサイトに登録された分析書のうち、対象成分に0より大きい確定した含有量が記載されているものです。基準未満の記載値も含みます。「未満」などの限界値・未記載・0の値は、この一覧には含めません。

遊離二酸化炭素の記載がある分析書
施設・分析書記載された成分と含有量
箱根町 弥坂湯温泉の成分の分析年月日:令和元年9月9日
  • 遊離二酸化炭素0.23 mg/kg
手賀沼観光リゾート 天然温泉 満天の湯分析終了年月日:2026年4月22日
  • 遊離二酸化炭素25.9 mg/kg
草津温泉 大滝乃湯分析年月日:令和5年7月25日
  • 遊離二酸化炭素95.4 mg/kg
和の宿 夢月分析終了年月日:平成27年3月14日
  • 遊離二酸化炭素11.5 mg/kg
鎌田 福禄寿の湯分析終了年月日:平成20年3月17日
  • 遊離二酸化炭素2.6 mg/kg
田の湯温泉試験終了年月日:令和6年3月12日
  • 遊離炭酸12.3 mg/kg
  • 遊離炭酸12.3 mg/kg
竹瓦温泉(女湯)試験終了年月日:平成31年3月4日
  • 遊離炭酸9.7 mg/kg
  • 遊離炭酸9.7 mg/kg
竹瓦温泉(砂湯)試験終了年月日:平成31年3月4日
  • 遊離炭酸15.4 mg/kg
  • 遊離炭酸15.4 mg/kg
竹瓦温泉(男湯)試験終了年月日:平成31年3月4日
  • 遊離炭酸17.6 mg/kg
  • 遊離炭酸17.6 mg/kg
柴石温泉試験終了年月日:令和2年1月21日
  • 遊離炭酸57.2 mg/kg
  • 遊離炭酸57.2 mg/kg
柴石温泉(むし湯)試験終了年月日:令和2年1月22日
  • 遊離炭酸43.1 mg/kg
  • 遊離炭酸43.1 mg/kg
芝居の湯(別府市コミュニティーセンター)試験終了年月日:令和5年1月30日
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
熱の湯試験終了年月日:平成31年3月1日
  • 遊離炭酸15.0 mg/kg
  • 遊離炭酸15.0 mg/kg
永石温泉試験終了年月日:平成31年3月4日
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
亀陽泉試験終了年月日:平成28年6月29日
  • 遊離炭酸8.8 mg/kg
  • 遊離炭酸8.8 mg/kg
鉄輪むし湯(むし湯)試験終了年月日:平成28年10月7日
  • 遊離炭酸33.4 mg/kg
  • 遊離炭酸33.4 mg/kg
鉄輪むし湯(浴槽)試験終了年月日:平成31年3月1日
  • 遊離炭酸15.0 mg/kg
  • 遊離炭酸15.0 mg/kg
鶴寿泉試験終了年月日:平成31年3月8日
  • 遊離炭酸8.8 mg/kg
  • 遊離炭酸8.8 mg/kg
海門寺温泉試験終了年月日:令和2年1月20日
  • 遊離炭酸26.4 mg/kg
  • 遊離炭酸26.4 mg/kg
地蔵泉試験終了年月日:平成5年7月19日
  • 遊離炭酸130.5 mg/kg
堀田温泉試験終了年月日:平成31年3月1日
  • 遊離炭酸261.0 mg/kg
  • 遊離炭酸261 mg/kg
浜田温泉試験終了年月日:平成31年3月1日
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
  • 遊離炭酸6.6 mg/kg
不老泉試験終了年月日:令和6年7月9日
  • 遊離炭酸20.7 mg/kg
  • 遊離炭酸20.7 mg/kg

参考資料

  1. 環境省「温泉の定義」表1・表2
  2. 日本温泉協会「温泉の泉質のいろいろ」二酸化炭素泉
  3. 日本温泉協会「温泉分析書の見方」

関連する泉質の解説